第210章 果てしない優しさ

南雲玲奈はその一言を聞いた瞬間、表情があやうく崩れかけた。

い……いっしょに寝る???

香澄、変なこと言わないで……!

玲奈は気まずさと恥ずかしさで、耳まで熱くなる。

もちろん香澄の言う通りにはできない。玲奈は必死に笑顔を作って宥めた。

「香澄、今夜はママといっしょに寝よう? 香澄はお利口さんのいい子だもん。パパのお仕事の邪魔しちゃだめだよ」

普段の香澄なら、聞き分けがよくて素直だ。

けれど今夜に限って、妙に頑固だった。

ママが「パパは一緒に寝られない」と言った途端、香澄は小泉大輔のズボンの裾をきゅっと掴んで離さない。ぱっちりした大きな目は、数秒で涙がいっぱいになり、真っ赤な...

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